甲賀のShuRenJo
甲賀は、天平年間に紫香楽宮が造成された聖地であり、地形が複雑に入り組んで、多くの隠れ里を有しています。そのような隠れ里の裏山には、古代より山伏が修行する修験霊場がありました。これらの霊場での修行の中から、やがて忍者が生まれてきました。忍者は、映像の演出で強調される派手な出没というよりも、日常的には「忍」の字にふさわしく、ひっそりと暮らしつつ修練を重ねていました。「忍術」とは甲賀の暮らしそのものの中から生まれた知恵の体系が後にそう呼ばれたものですが、この地ではなんら特異なものではなかったのです。忍術は、奥深い思想を有し、その多彩な技能から、薬、茶、焼き物等が誕生しました。我々はこの甲賀の深遠な修練を「ShuRenJo甲賀」と称し、ここに紹介します。