「コバノミツバツツジの郷づくり」プロジェクト

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「コバノミツバツツジの郷づくり」プロジェクトの地図
                                 子ども活動サポーター会

 コバノミツバツツジは、静岡県西部から九州北部まで分布して、ツツジの仲間では4月と早く咲く里山の花木です。葉が出る前に咲く赤紫の花は、里山を鮮やかに染めます。桃太郎の一節の「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に・・・」の、柴として刈り取られた代表的な木が、コバノミツバツツジです。西日本の里山では、かつては多く見られたコバノミツバツツジも、アカマツ林が少なくなり、林が生い茂っていくにつれて、少なくなっています。

kobano_sidetown このような中でも、滋賀県の中央部の「近江希望が丘文化公園」の周辺は、最大級のコバノミツバツツジの群生地です。湖南市の菩提寺山・天山・岩根山、野洲市の三上山・妙光寺山、野洲市から竜王町にかけての鏡山と続く山塊には、10万本以上のコバノミツバツツジが群生していると予想されます。とりわけ、天山山麓に立地する湖南市サイドタウンは、庭に開発前から存在していたコバノミツバツツジが数多く残る、全国的にも珍しい住宅地です。しかし、徐々に、コバノミツバツツジが少なくなってきました。

 そこで、サイドタウンの「子ども活動サポーター会」では、2012年から「コバノミツバツツジの郷づくり」プロジェクトを始めました。種を採取しておいてポットに蒔いて、コバノミツバツツジの実生苗を育てています。1年生でまいた種を、4年生で植える活動を行っています。2014年からは、菩提寺北小学校の校庭やグラウンド脇の法面に、育てた苗を子どもたちとともに植えています。また、コバノミツバツツジが林床に自生している、枯松が多い学校林を手入れしています。地域固有の自生種を保全することで、親しみやすく生物多様性が保全される里山をつくり、共助による心温まる地域づくりを目指しています。

 これらの成果を発信するとともに、全国的な情報交流を進めるために、本プロジェクトでは「NPO法人びわ卓」のサイトをお借りして、わかる範囲で、ミツバツツジ類の分布と保全について地図で紹介します。なお、全国には、数十種類のミツバツツジ類が分布しています。たとえば、静岡県東部から長野県より東の低地はミツバツツジ、それより北の高地はトウゴクミツバツツジ、近畿北部の高地から北陸にかけてはユキグニミツバツツジ等が分布しています。

 ミツバツツジ類についての全国各地の情報を、お寄せいただけると幸いです。

各地のコバノミツバツツジ地図  湖南市菩提寺近辺のコバノミツバツツジ地図

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